上智大学外国語学部フランス語学科の同窓会組織が、当人の同意なく、水野を含む卒業生の個人情報を第三者に無断で開示していたことが発覚しました。
本件について、去る11月18日に水野と学科の友人たちの代理人の弁護士から、風間烈・上智大学外国語学部フランス語学科同窓会会長に通知書(内容証明)を送付して顚末の説明と今後の方針に関する質問への回答を求めています。
平成27年11月18日
通 知 書
〒●●●-●●●●
東京都■■区■■●-●-●
中村 雅治 様 気付
上智大学外国語学部フランス語学科同窓会
会長 風間 烈 様〒●●●-●●●●
東京都■区■■●-●-●● ■■■■■■■●階
法律事務所シュヴァリエ
水野信隆ら代理人弁護士 磯野 清華
電話 ●●-●●●●-●●●●
FAX ●●-●●●●-●●●●冠省 この度,当職は,水野信隆氏,■■■■氏及び■■■■氏(以下「通知人ら」とします)の代理人として,貴団体(以下「被通知人」とします)に対し以下のとおりご連絡差し上げます。
被通知人が平成27年8月25日に発行した会報第26号の記事においては「同窓会では,把握している会員の情報の取り扱いには十分注意しています(中略)第三者からの情報提供依頼があった場合には,必ずご本人のメールで了承を受けた上で対応するようにしています。」との記載があります。
ところで,上智大学外国語学部フランス語学科が平成27年10月に学内に掲出した「就職懇談会」に関わるポスター及びフェイスブック上の書込みに,通知人らを含む卒業生につき,その個人を特定できるような個人情報が通知人らに無断で掲載されました。そこで,通知人らが当該学科の教授である■■■■■氏に問い合わせたところ,■■氏からは被通知人より個人情報の提供を受けたとの説明がありました。
被通知人が通知人らの承諾を得ないでその個人情報を■■氏に提供することは,通知人らのプライバシー権を侵害する違法な行為であるとともに,会報で自ら宣言した内容に反する行為でもあります。個人情報の保護が重要視されている昨今の社会情勢に鑑みますと,被通知人の行為は,必然的に大量の個人情報を扱うことになる同窓会の行為として甚だ疑問です。
つきましては,通知人らは被通知人に対し,以下の質問への回答を求めます
1 被通知人はどのような理由で,■■氏に通知人らの個人情報を提供したのか。
2 前項の情報提供の決裁権者は誰か。
3 通知人から■■氏へ情報提供が行われた具体的手順はどのようなものか。
4 被通知人が会報に掲載した「会員の情報の取り扱いには十分注意しています」の「注意」の具体的内容は何か。
5 被通知人が個人情報保護方針を有しているか否か。有しているのであればその具体的内容を,有していないのであればその理由を明らかにされたい。
6 情報提供の決裁権者以外に情報提供にかかる責任者はいるか。いるとすればそのものの役職及び氏名は何か。
7 再発防止策及び今後の情報管理方針をどのようなものにするつもりか。
8 今回の被通知人の行為につき,通知人らに対しどのような謝罪を行うつもりか。なお、上記質問とは別に、通知人らは被通知人に対し、被通知人が会員情報を当該会員の承諾なく第三者に提供したこと及び上記7記載の事項に対する回答につき、次回の会報第27号に記載することを求めます。
本書面到達後10日以内に上記質問事項及び請求に対しご回答をいただけない場合には,法的措置を含めた手段を取らざるを得ないことお伝えいたします。
なお,無用の混乱を避けるため,本件に関する連絡は当職までいただけますようお願い申し上げます。草々
本来ならば、卒業生同士が仲良く協力して、出身学科を守り立てて、世代を越えた交流を深めてゆくべきところ、何ゆえ斯様なことになったのか、順を追って説明しなければならないでしょう。
去る10月12日フェイスブックの「上智大学外国語学部フランス語学科」のページに以下の書き込みがありました。
これを見て水野はちょっとビックリしてしまったんですが、昨年の「就職懇談会」に参加した僕を含む卒業生が特定できる情報が大書されているのです(画像にはボカしを入れています)。
氏名こそ省かれていますが、卒業年度と会社名・所属まで明記してあれば個人が特定されてしまうのは論を俟たない話。
そもそもの話、昨年の懇談会のあと、平日に仕事のやりくりをして来ていただいた講師役に対して、同窓会組織からお礼のメッセージも、学生からのフィードバックも一切ないというのは何とも面妖、というよりも、いささか無礼に過ぎるのではないかと思っていましたが、その一方で本人に事前に連絡も許諾もないままに、個人情報だけはいいように利用されてしまうことに大きな違和感を覚えずにいられません。
経済産業省ガイドラインによる「個人情報保護法における『個人情報』の定義」(※PDF注意)によると、個人情報とは「特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができるものを含む)」とあり、いくら個人名が省かれていたとしても、卒業年度、会社名、所属、役職まで書いてあれば、「他の情報と容易に照合して個人を識別できる情報」即ち「個人情報」に該当すると考えるのが自然というものでしょう、経済産業省よりも俺たちのルールのほうが偉いんだと主張するのでなければ。
この書き込みが掲載された日、水野は出張で日本にいなかったのですが、昨年水野からお願いして懇談会に出てもらった友人たちから続々とメールやメッセが飛び込んできました。
「あれは個人情報の漏洩ではないのか? 一体どうなっているのか?」
「ミズノが個人情報を公開して良いと言ったのか?」
もちろん、僕が友人たちに断りもなく個人情報の開示を許す権限などあるはずもありません。
そして、恐ろしいことにフェイスブックには、テキストだけでなく、ポスター状の画像も貼り出されていました。
ひょっとして、この内容が学内に掲出されて、不特定多数の人たちに個人情報が晒しあげられているのだろうか……!? しかも写真つき……!!
出張から帰国後、この案内文の連絡先として名前の書かれていた学科の教授にメールを書き(CCに学科長)、これは当人に事前同意なき個人情報の漏洩ではないかとクレームしました。
そしてその結果、以下の対応が得られました:
・ 当日中にメールで水野に謝罪の返信
・ 他当事者にも詫び状を出す方針
・ フェイスブック上の当該書き込みを直ちに削除
・ 学科事務室等に掲示していたポスターを撤去
実態として漏洩の程度は大きくないと考えられたことと、教授側から驚くほど迅速な対応と謝罪をいただいた為、水野としてもこれ以上暴れる理由もないので矛を収め、むしろ丁寧な対応をしてくださった先生に感謝する形で、対学科のお話には幕を引きました。
しかしながら、水野としても気持ちが悪かったのは情報の入手経路と、無断掲載に至ったプロセスでした。
教授の説明によると、就職懇談会は同窓会と学科の共催であることから、講師役の個人情報は学科同窓会から提供され、掲載については教授が深く考えずにゴーサインを出してしまったということのようです。
同窓会会員の個人情報を保護する意思など微塵もなく学科に渡す同窓会の感覚と、当人の事前同意を確認しようともしない教授の感覚の、何とも浮世離れしたマリアージュがもたらした人災としかいいようなく、友人たちや水野にしてみれば甚だ迷惑且つ非常識極まりないお話。
上智大学外国語学部フランス語学科同窓会の個人情報管理方針については、以前当サイトでも記事にしましたが、正確を期す為、事務局長の鍋島宣総氏から以前頂いたメール(2015年5月23日付)をそのまま引用します:
「同窓会では、把握している会員の情報(住所・電話番号・メール)の取り扱いには注意しています。全てご本人の了承を得た上でしか第三者(例えば同級生)に提供していません。名簿管理は事務局が行っており、実際に住所録にアクセスできるのは、ほんの一握りの人間です。」
更に言うと、弁護士も通知書で触れている通り、同窓会組織は今年の夏の会報でも
「同窓会では、把握している会員の情報の取り扱いには十分注意しています(中略)第三者からの情報提供依頼があった場合には,必ずご本人のメールで了承を受けた上で対応するようにしています。」
と言明しています。
書き手は「事務局」とあり、実際に書いた方は不明ですが、一義的には同窓会事務局長の鍋島宣総氏か、そうでなければ同窓会会長の風間烈氏が文責を負うべきものと判断すべきでしょう(画像の傍線は引用者)。
しかしながら実際の対応は、
「注意しています」→ 全く注意せず教授に渡してます
「全てご本人の了承を得た上で」→ 誰一人得ていません
であり、会報でわざわざ宣言した事柄は虚言だったことになります。
よりにもよって、以前に個人情報管理に関する問い合わせをし、懸念を表明していた張本人の水野の情報をも事前同意なしに平気でばら撒いていたことを、同窓会組織はどう説明するつもりなのでしょうか。
水野のことを嫌うとかシカトするとか軽んじるというのは、同窓会側の勝手といえばその通りなのですが、これから先、何も知らない他の卒業生や現役生たちが、こういうことを平気でする人たちの行いに巻き込まれるとすれば、それは極めて剣呑という気がしてなりません。なにせ、同窓生全員の個人情報が、平気でうそをつく人たちの手中に現在もなおあって、それが今後どのように扱われるか分からないのですから。
水野が同窓会組織と関わってきた経緯からして、これまで同様に役員・関係者全員からシカトされることが予想できたため、水野から誘って参加してもらった挙句に個人情報をさらされてしまった友人らとの連名で、代理人弁護士から法的見地からの対応を促している次第です。
本件は、続報が入り次第またお伝えしたいと思います。