Yahoo! ニュースに掲載されている記事です。
Source: Yahoo! ニュース
記事によると
「1月20日に行われたカステックス首相の記者会見によると、年末年始、デルタ種とオミクロン種がダブルで拡大。特にオミクロン種の感染者数はこれまで500万人に及び、無症状で検査をしていない人も考慮すると、おそらく倍の数が感染していることになるだろうと発言しています。倍ということは1000万人。フランスの人口は約6700万人ですから、６〜7人にひとりはオミクロン種にすでに感染しているという想定になります」
とあり、日本よりも遥かに深刻な感染拡大が見て取れますが、一方でフランス政府はこの状況を踏まえた上で、ワクチン接種徹底を前提に2月からの大幅な規制緩和方針を発表した由。
この記事では、フランスで順調にワクチン接種が進んでいるという側面のみが書かれていますが、政府によるワクチン義務化に反対する動きが各地で起きて10万人超のデモに発展（時事通信）していることには何故か触れられていません。
また、この記者氏は「国ごとの方針の違い」として、
「フランス入国には陰性証明は必要ですが、入国後の隔離措置などはありません。つまり、日本から到着してすぐに仕事ができます」
とする一方で、
「フランスから日本へ帰る時が問題です。フランスを出発する72時間前までに実施したPCR検査の陰性証明（日本政府が求める書式に則った書類に医師など専門家による署名入り）が必要で、日本の空港到着後に指定されたホテルでの数日間の完全隔離、そして自宅での隔離と続きます」
などと日本政府の施策が面倒くさいかのような書きぶりをされていますが、明らかに海外発祥である変異株の、島国である日本国内への伝播を食い止めるには完全に鎖国をするか、さもなければ感染していないことが分かるまでは入国者を国民に接触させない、すなわち隔離を行うよりほかないのではないでしょうか。
ほかにソリューションがあるのならばむしろ教えていただきたいし、こういう人種が忘れがちなのは、自分自身が無自覚にウイルスのキャリアーとなり感染拡大の原因になるかもしれない、という当たり前の想像力ではないでしょうか。
ご存知の通り、我が国では、国民の自発的な三密回避やマスクの常時装用に加え、菅前総理の圧倒的なリーダーシップで自衛隊まで動員してコロナワクチンの接種を猛スピードで展開し、オミクロン株が出来するまでは世界でも珍しい感染減少を実現しましたが、フランスではいまこれから罰則付き法律を施行して、強制しなければならないほどワクチン接種が進んでおらず、国内での感染拡大が一向に収まらないがゆえに、ワクチン接種さえしていればもとの生活に近づけるよといういわばニンジンをぶら下げる施策が今回の政府発表なのではないのでしょうか。
それでもこの記者氏は、
「右肩上がりのグラフを直視しつつも、後戻りはしない、むしろ前向きな方向性を感じるパリの日常です」
と、自分の主観だけでフランスを褒め称えて締めくくっています。
事実と自分の見解をごった煮にして情緒でごまかして、無理が無理でもフランス万歳にしてしまう、おフランスかぶれの方が陥りがちな過ちなのかも知れませんが、前向きな方向性があろうがあるまいが、誰だって感染したくはないですし、我が国であれだけ成果を上げたワクチンを頑なに拒む人たちが少なくない彼の国の現実を冷静に眺めると、再び観光や留学などでふつうに訪れることが出来る日は、相当に先のことのように思えてなりません………
