一般論として、物事をバイラテラル、すなわち一対一の座標に置いた場合には、自分に都合のいいストーリーを構築したり、うそを触れて回ることは比較的容易といえるかも知れません。
風間烈・上智大学フランス語学科同窓会会長とその代理人池田昭弁護士(第二東京弁護士会所属, 弁護士登録番号 15626, 池田法律事務所, 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-8-6 宮益坂STビル9階, Tel: 03-3406-4947, Fax: 03-3406-4948)が「見解の相違」という一種のマジックワードを用いたように、自分の主観で相手の主張を塗りつぶしてしまいさえすればよいのですから。
しかし、複数の当事者が関わるマルチラテラルになった場合、身勝手なシナリオを成立させるのは相当に難しくなるものだと思います。
分かりやすい例えをすれば、A君が、自分のキライなB君を飲み会に誘わないように情報を遮断したとしても、B君が別のC君やD君からその話を聞いてしまったら、A君の対B君工作はたちどころに水泡に帰します。
マルチラテラルな人間関係においては、他人同士の交流を制限することはできません。文字や写真、動画までもが瞬時に飛び交うこのネット時代であれば尚更です。他人同士の言動からでも、別の人を取り巻く出来事は透けて見えてしまいますから、つまるところ都合良く他人に目隠しをすることなどできないのです。
風間烈・上智大学フランス語学科同窓会会長がのたまう「問題は存在しない」との科白には、とっくのとうに飲み会の話はB君にバレてるのに、必死になって自分の選り好んだメンバーだけで何とか挙行しよう、挙行できると信じているA君の姿のような滑稽さと、底抜けの気持ち悪さを僕は感じてしまうのですが。
ところで、上智大学フランス語学科同窓会には少なくとも2名の元教授、南舘英孝氏と中村雅治氏(現在はともに上智大学名誉教授)が役員に名を連ねています。
風間烈・上智大学フランス語学科同窓会会長が主張なさる「一部の卒業生が勝手に誤解して騒いでいるだけ」(同窓会会報要旨)という筋書きは、冒頭に述べたバイラテラルな座標においては、無理が無理でも強弁することは出来るのかも知れません。
しかしながら、同窓会役員の元教授たち、そして現職のフランス語学科の教授たちの姿を重ねて、マルチラテラルの視点から眺めた時、登場人物たちはどのように振る舞い、何をしていたでしょうか。
仮に、風間烈・上智大学フランス語学科同窓会会長のご主張が全て正しくて、問題が一切存在しないのに、僕や仲間たちが同窓会組織に不当な言いがかりをつけているのだとしましょう。
その悪質なクレイマーたちに、もとの同僚たちが巻き込まれ、あまつさえその同僚たちが「同窓会の主張は事実ではない」と言い始めている時に、同窓会役員の南舘英孝、中村雅治両名誉教授は、何もしていません。清々しいまでに。
もとの同僚がクレイマーの卒業生に騙されているのならば、助けてあげよう、正しいことを教えて説得しようとは思わないのでしょうか。
いくらシカトが同窓会役員のバカの一つ覚えだとしても、もとの職場組織やもとの同僚をわざわざ見捨てるのは、上智大学名誉教授の振る舞いとしてはきわめていびつで異常なものに映ってしまうのですが。少なくとも、まともな男のやることではないという気はします。
まともな男ではないから、というオチならば受け入れるほかありませんが。
「問題は存在しない」ことが明々白々だというのならば、先生風、先輩風を思い切り吹かせて、僕や仲間たちを呼びつけて
「馬鹿な言いがかりはやめなさい」
と、お説教のひとつでも出来たでしょうし、もとの同僚であるフランス語学科教授たちにもきっちり言い含めることも出来たでしょうに、どうして沈黙する必要があるのでしょう。
仮に池田昭弁護士(第二東京弁護士会所属, 弁護士登録番号 15626, 池田法律事務所, 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-8-6 宮益坂STビル9階, Tel: 03-3406-4947, Fax: 03-3406-4948)から、弁護士以外のルートでの対応をしないよう一種の箝口令が敷かれていたとしても、せめてもとの同僚たちには、
「本件、卒業生が騒いでいるようだが、同窓会として弁護士がキチっと対応するので安心願いたい。弁護士に一任しているので役員から個別の発言はしないようにしているので了解願いたい」
と伝えるくらいのことは出来たでしょうに………
弁護士がどんなに頑張って、事実の一部を都合よく切り取って一方的な論理を展開してみせても、僕や仲間たち以外の第三者も関わる現実世界が、それに沿って動いていなければ、その主張なるものがたちどころに瓦解することは論を俟ちません。
「問題は存在しない」と強弁して議論を遮断したつもりが、問題がないと本気で思ってきたのならば、その前提で対応しているべきことを何ひとつしていなかった矛盾を自ら証してしまうのはなんとも皮肉ですが、後付けで必死にでっち上げた論理の綻びなんぞは少しも顧みずにのさばる厚顔無恥な姿こそが、平気でうそをつく人たちが平気でうそをつく所以なのかも知れません。
それにしても、教え子たちから抗議が来て、もとの同僚が困っている時に、そっぽを向いて黙りこくる名誉教授先生たちは、ご自身の責任逃れだけに汲々とするショボいおっさんの姿を晒しているだけのように思えてしまうのですが。
この僕はこんな生き物をセンセーなんて呼んでいたんだな、という複雑な感慨を抱かずにいられませんが、それにしても、そこまでしてシカトを貫いて、教え子である僕や仲間たちだけでなく、もとの同僚の教授たちの言うことにも耳を貸さない理由があるのでしょうか。
実際のところは、フランス語学科同窓会のしでかした問題を認識していて、同窓会の主張がうそで塗り固められていることも理解していながら、それでも自分たちで解決することを放棄して、いつものように沈黙を守ってやり過ごせばごまかし通せると思っておられるのかも知れません。ごまかし通すことなどできないのですが。
南舘英孝、中村雅治両名誉教授の名誉なるものは、いったいどこにあるのでしょう………
なお、念の為付言しておくと、かつて山岸真太郎・上智大学フランス語学科同窓会副会長が僕に説明なさったように、
「同窓会活動ですので、なにかを変える場合は多くの役員の賛同を得る必要があります」
とのことなので、就職懇談会のアジェンダを変えることさえ役員会に諮るほどの組織が、会員の抗議に対して弁護士を起用して回答するなどという事態は当然、役員会の同意を得ていなければならないはずで、南舘英孝、中村雅治両名誉教授が本件の経緯を知らなかったということはあり得ません。
もしも本当に南舘英孝、中村雅治両名誉教授が何も知らないまま、風間烈・上智大学フランス語学科同窓会会長がたった一人で対応を決めていた、それを許す組織体制だった、というのならば、山岸真太郎・上智大学フランス語学科同窓会副会長の説明は端からうそだったことになります。
また、たとい事前に知らなかったとしても、風間烈会長が同窓会会報で、
「経緯をたどったところ申し立ては誤解であることがわかりました」
との文書を会報に発表した後になってもなお、南舘英孝、中村雅治両名誉教授は、もとの同僚であるフランス語学科教授たちに(そして同窓会組織は、就職懇談会の共催者であるフランス語学科に)、誤解と判断した内容を確認も説明もせず、ずーっと黙っていた事実は消えません。フランス語学科の教授たちはとっくのとうに僕や仲間たちに謝罪をしていたのに。
どのような理由があろうとも、南舘英孝、中村雅治両名誉教授が、教え子だけでなく、もとの職場の組織やもとの同僚にも等しく向けた根暗な酷薄さを、我々はよくよく認識しておく必要があるでしょう。
そしてこの延々と続く不気味な沈黙こそが、平気でうそをついて問題を糊塗し続ける上智大学フランス語学科同窓会の薄ら寒くも情けない姿を、何よりも雄弁に物語っているように、僕には思えてしまうのでした。